AI技術*1の活用で検査ワークフローの効率化に貢献。手軽に持ち運べる携帯型X線撮影装置の新モデル 新開発

富士フイルム株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長・CEO：後藤 禎一）は、手軽に持ち運べる携帯型X線撮影装置の新モデルを開発しました。新モデルは、AI技術を活用して開発した、撮影時に患者のポジショニングを支援する機能*2により、在宅医療のほか、山間部・離島など幅広いシーンにおいて簡便なX線検査をサポートします。本モデルの国内での発売は2025年秋、海外での発売は26年度以降を予定しています。
当社は2025年8月20日からの3日間、横浜で開催される「第9回アフリカ開発会議（以下、TICAD9）」に本モデルを参考展示します。

当社は、軽量・小型かつバッテリー内蔵で外部電源が不要な携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair（カルネオ エックスエアー）*3（海外販売名：FDR Xair）」を2018年に発売しました。本装置は、これまでに70か国以上で導入され、幅広い用途に使用されています。当社の携帯型X線撮影装置は、当社独自のISS方式*4を採用したFPD（X線画像平面検出器）*5を組み合わせることで低線量でも高画質な画像を得られる点や、画像処理ソフトウェアをインストールしたノートPC型コンソール*6を使って撮影した画像をその場ですぐに確認できる点などが評価され、在宅医療に加え、山間部・離島などで広く使用されています。また、結核終息が重要な社会課題となっているアフリカや東南アジアなどにおいて、結核スクリーニング検査にも用いられています。

今回、世界的に医療現場の人手不足が深刻化する中、撮影時のポジショニングなどの検査ワークフローの効率化や医療従事者の負担軽減に貢献する携帯型X線撮影装置の新モデルを開発しました。「CALNEO Xair」の特長はそのままに、AI技術を活用して開発した「X-ray Centering Navi（エックスレイ センタリング ナビ）」機能*2を新たに使用できるようになりました。「X-ray Centering Navi」機能は、搭載したカメラで撮影した画像から検査対象部位の撮影の中心位置を推定し、ライブビュー画像上に位置合わせ指標を重ねて表示させることで、限られたスペースでのポジショニングをサポート*7。再撮像リスクの低減にも貢献します。さらに、角度調整可能なタッチパネルを搭載。操作者は、高い位置での臥位撮影*8でもパネルに表示された被検者の画像を確認しながら撮影が可能であり、負担の少ない姿勢でパネルを確認できることに加え、撮影条件の設定*9や照射野ランプのオンオフなどもワンタッチで行えます。



今回開発した携帯型X線撮影装置の新モデル
* 販売名：ポータブルX線撮影装置　XD4000、医療機器認証番号：307ABBZX00015000

富士フイルムは、今後もさまざまな医療現場のニーズにこたえ、検査の効率化と医療の質の向上を図ることで、人々の健康の維持増進に貢献していきます。

*1 AI技術のひとつであるDeep Learningを用いて開発した。導入後に自動的に装置の性能・精度が変化することはない。
*2 本機能はFUJIFILM DR CALNEO Flow（販売名：デジタルラジオグラフィ　DR-ID1800、医療機器認証番号：302ABBZX00021000）のフラットパネルセンサと画像処理ユニット Console Advance｛販売名：富士フイルム DR-ID 300の付属品（画像処理ユニット　DR-ID 300CL）、医療機器認証番号：221ABBZX00151000｝を組み合わせた場合に使用可能。
*3 販売名：ポータブルX線撮影装置　XD2000、医療機器認証番号：230ABBZX00077000
*4 ISS（Irradiation Side Sampling）方式。センサー（TFTパネル）を、X線照射面側に配置する方式。
従来方式のFPD（X線画像平面検出器）に比べ、より減衰が少ない段階のX線エネルギーを光信号に変換でき、X線エネルギーの変換効率を高めることができる。
*5 Flat Panel Detectorの略。X線装置から照射され被写体を透過したX線エネルギーを電気信号に変換する画像平面検出器のこと。
*6 画像処理ユニット Console Advance｛販売名：富士フイルム DR-ID 300の付属品（画像処理ユニット　DR-ID 300CL）、医療機器認証番号：221ABBZX00151000｝
*7 操作者による目視での確認が必要。
*8 被検者を仰向けに寝かせた状態でX線撮影を行うこと。
*9 操作者による撮影条件の確認が必要。

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