中島様:
私が着任したのが2018年4月ですが、それ以前から前任者が電子化を進めていました。 当院は二次救急病院として、24時間365日稼働しているため、利便性を考えて、診療に必要な情報を知りたいと思った時にすぐ取得できる環境を整えるといった面でも、電子コンテンツを充実させていたようです。 メディカルオンラインもすでに前任者の時点で導入されていました。
中島様:
はい、着任時、病院図書室は初めてだったのですが、電子化が進んでいたおかげで、ほとんど苦労なく業務を行うことができたのは非常にありがたかったです。 そのため、さらに充実させるにはどうしたらいいかということに、集中することができました。
中島様:
着任後1年ぐらいで新型コロナウイルス感染症が本格化しました。その頃から電子書籍が一般化してくるのを感じ、MOLイーブックスを導入する良い機会だなと思っていました。 同時に、当院の新棟建設により1年間図書室がなくなるという状態になりまして(笑) これは大変、ということで電子リソースの契約を見直しました。
中島様:
まずは、これまでより収録誌の多いサービスに変更しました。 洋書は契約中の電子リソースに書籍も多く含まれていたのでよかったのですが、和書が問題でした。和書は新たに契約する必要があり、機関契約ですと高額です。 そのような中、メテオの営業担当からメディカルオンラインにプラスでイーブックスの契約もできるというお話を伺って、年間購読・アクセス無制限サービスもあり、相対的に見て値段もかなりお得と考えられたので、費用対効果の上でも検討することができました。
中島様:
まず、上層部に導入を働きかける上で重要なのは、「利用率が見込めるか」という点です。いくらリーズナブルであっても、利用率が低ければ費用対効果が出ません。 その点、MOLイーブックスは“メディカルオンライン”(以下:MOL文献)を既に導入していて利用もかなり多かったので、ハードルはそれほど高くありませんでした。 プラットフォームが一緒なので、MOL文献と同じID/PASSでMOLイーブックスも利用できる点は、ひとつの説得材料になりました。
中島様:
はい。インターネットでメディカルオンラインのWebサイトにアクセスし、普段から利用している“文献”の隣に“イーブックス”が並んでいるため、「この隣のイーブックスというタブをクリックしてください」と言えば、すぐに理解してもらえました。利用者にとっても非常に利便性が高いと思います。
中島様:
対象書籍も多く、満足していますが、特に医療以外の書籍も入っている点が良いと思います。 病院というのは、様々な職種や患者様がいるので医療だけを勉強すれば良い、というわけではないという考えのもとで職務にあたっています。 医療を通じて社会の様々な部分とつながっていると思うので、当院の職員が医療以外のことを勉強したいと思った時に、そのための情報を提供できる図書室でありたいという思いもあります。 病院には事務職員も多数います。いわゆる医療書以外の、事務手続きに必要な資料、病院運営に係る資料を揃えることも大切です。それらも提供できる図書室でありたいと考えています。 その点で、MOLイーブックスには医療以外の書籍もあるため、大変有難いと感じています。
中島様:
利用があって、嬉しいなと思います。 先ほども話しましたが、当院では電子リソースの導入に力を入れています。その反面、紙の書籍購入は他院に比べ少ないと思います。 もちろん、必要不可欠なものや、リクエストがあったものは病院で購入するのですが、リクエストのあった書籍は、まず必要としている部署に配架されるため、図書室の棚には並んでいません。
中島様:
そうなのです。だから図書室に新刊図書は少なくて(笑)皆さん書籍に飢えているのではないか?と心配していました。 MOLイーブックスの利用率を確認して、やっぱり書籍を読みたい方が結構な数いたのだと反省しています。
中島様:
紙の書籍は、所蔵する上でスペースを必要としますし、利用は基本的に1人ずつで、 同時に複数人で読むことはできないですよね。新刊を購入したとしても、誰かに貸出すと、他の人は読みたくても返却されるまで待たなければいけなくなります。 医療の現場ですと、知りたいと思ったら今すぐ知りたいということも多いため、電子書籍、特にMOLイーブックスの年間購読制は同時アクセス無制限のため、その心配がないので本当にありがたいです。
中島様:
そうですね。ただ面白いのは、紙の書籍には紙の書籍の良さがあるといった話があって。MOLイーブックス導入当初に、ある職員から「MOLイーブックスで読んでみて、手元に置いておきたいと思ったものは、本屋さんで紙の本を購入しています」と言われたことがありました。自分で購入した本は、手元においてマークをつけたり、書き込みをしたりするそうです。 目からウロコの出来事でした。MOLイーブックスは“まず1度読んでみる”といった試し読み、立ち読み的なメリットもあると思います。電子と紙の共存関係もありますよね。
ここからは、実際にMOLイーブックスをご利用いただいているユーザーの声をお届けします。
同病院の病理診断科 竹山 裕之 副部長(写真右)、野村 宣徳 先生(写真左)にお話を伺いました。
竹山先生:
病理診断に関してはどの施設でも同じだと思うのですが、馴染みのない疾患を診断する時は、鑑別診断や背景知識などを確認する必要があります。対象となる疾患の範囲が広く、業務中に検索して診断に必要な情報を確認するという作業が必須です。 当院ではMOLイーブックスに対象書籍が多くあるため、頻繁に利用しています。
野村先生:
はい、いわゆる画質的な部分の問題は全くありません。
竹山先生:
画像を拡大できるのは電子の良いところですね。
野村先生:
電子の方が切り替えやすいというメリットはあります。 画像Aと画像Bを切り替えて比較して見る、という際には紙のページをめくるより、電子の方がパッパッと切り替えられるので、その点はかなり楽です。
竹山先生:
紙の書籍と大きく異なるのは、やはり全文検索ですね。検索すると関連する項目が全て出てきます。紙の本だと、必ずしも全ての単語が索引に出ているわけではなく、検索で全て見つけられるというのは大きいです。
竹山先生:
また、以前は私も紙の書籍を購入していたのですが、1回購入してもしばらくすると新しい版が出ます。全て購入し続けるのはなかなかハードルが高く、新しい版はMOLイーブックスで見るようになりました。
竹山先生:
はい、「病理と臨床」がMOL文献にあるのでよく利用していました。
竹山先生:
はい、あったら利用していましたね。そもそも電子書籍のサービスがあるとは知りませんでしたので、当院で初めて(MOLイーブックスに)触れて、便利だなと感じています(笑)
竹山先生:
なかなか難しいかもしれませんが、癌取扱い規約やWHO分類のブルーブックがあると良いなと思います。後はさきほど野村先生とも話していましたが、皮膚や脳腫瘍の病理の書籍がもう少し充実していればありがたいです。
竹山先生:
病理診断では海外の書籍や情報とともに、日本国内の情報も欠かせません。その辺りを電子配信のメディカルオンラインがカバーしてくれているのでとても助かっています。
竹山先生:
検索ができるので、調べたいことを探す手間を大幅に削減することができます。あとは何といっても、複数人で調べる時に本の取り合いになりません(笑) 紙の書籍では誰かが本を使用していると、他の人は使えません。MOLイーブックスは同時アクセス無制限なので、そのようなことはありません。情報共有の際は、「ここに書いてあったよ」と伝えれば、複数人が同時に見ることができます。とても便利です。
※中盤から野村先生は緊急対応にて離席されたため、後半以降は竹山先生のみのインタビューとなりましたこと、ご了承ください。
面積 | 90㎡ |
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座席数 | 12席 |
担当職員 | 司書1名 |
PC | インターネット閲覧用端末6台、電子カルテ端末7台 |
FAX・複合機 | 複合機1台、プリンター1台 |
蔵書数 | 約2000冊※各部署に置いてあるも含む |
電子ジャーナルパッケージ | 冊子体購読種類約50種類、メディカルオンライン、医書.jpオールアクセス、 ClinicalKey、Springer Hospital Editionなど |