あの手この手でメディカルオンラインを周知!!
利用率向上のポイントをご紹介します

湘南藤沢徳洲会病院 医学情報センター 伊藤 友香様
2012年10月に茅ヶ崎徳洲会総合病院は辻堂駅前再開発地区に新築移転し、病院名を湘南藤沢徳洲会病院に改称した。その際に設置した職員用図書室 医学情報センターでは、“10年後の学術雑誌は、ほぼオンライン化している”との見立てのもと、着々と電子コンテンツの導入を進めてきた。そのような中、2021年にメディカルオンラインイーブックス ライブラリー(以下 MOL イーブックス)を導入。現在、導入からわずか1年半にも関わらず、同院では年間2,000件・700タイトルへのアクセスがあり、これは国内の病院でもトップクラスの利用率である。このように、非常に短期間のうちに利用を定着させた同センターの伊藤司書にMOLイーブックス利用促進の秘訣を伺った。

“情報”提供の場としての図書室

まず、こちらは図書室ではなく、医学情報センターという名称です。茅ヶ崎から移転される際にそのような名称に変更されたのでしょうか?

はい、移転時の図書室のコンセプトとして10年後にはほぼオンライン化しているだろうと予想しました。そうなると“図書”というより“情報”という認識になると考え、その名称にしました。ちなみに私がいなくても、院内の皆さんが利用いただけるように24時間入室できるようにしています。

それは素晴らしいですね、それ以外にはどのような取り組みをされているのですか?

移転時に図書管理システムを導入し、全ての蔵書はバーコードで管理をしています。 入り口にPCがあるので、貸出・返却はセルフでやっていただいています。 クラウド型のシステムのため、院外のスマホ等からもアクセスできるので、利用者は場所や時間の制限なく、蔵書を確認することができます。 また、オンラインのコンテンツについてはリンクリゾルバを使用しています。 最終的にはメディカルオンラインの情報等も全てシステムに入れて、誰も情報センターに来なくてもいいようにしたい、というのが目標?というか野望ですね(笑)

個人的にはもっと前から導入したかったです(笑)

そのように次世代図書室を構築される中で、2021年よりMOLイーブックスを導入いただきました。このタイミングで導入いただいたきっかけをお聞かせいただけますか?

そのタイミングで導入しましたけど、私個人としてはもっと前から導入したかったです(笑)。ただサービス開始当時(2015年)は、冊数もまだ少なかったですし、お値段的にもちょっと手が届かないなと思っていました。あと当時、電子書籍に対してどの程度の利用があるかという見込みを予想するのが難しかったです。

我々もサービス開始当初は電子書籍に対するニーズがなかなかつかめずに苦労しました。

一番怖かったのは、早期にMOLイーブックスを導入しても“電子書籍のニーズを上手くつかめずに結局利用が伸びずに解約する”ということだったので、導入時期は結構慎重に見極めました。 そのような中で、2020年以降MOLイーブックスのラインナップが増えてきたのは導入のきっかけとして結構大きかったですね。ユーザーが喜んでくれそうな、ドクターに言ったら飛びついてくれそうなラインナップが増えてきたので、しっかりと利用周知を行えば使われるだろうと判断し、まずはトライアルを行ったのが2021年ですね。

最初から、ある程度の利用は出ていました

おそらく当時は4,000冊程度のラインナップだったと思うのですが、導入当初の利用状況はいかがでしたか?

導入前にトライアルを行ったのですが、その時から意外と利用は多かったです。 というのも、トライアル開始時にMOLイーブックスの営業の方から、ある病院さんが作られたというQRコードを入れた利用促進用の資材を教えていただきましたので、それで院内周知を行いました。QRコードを作るのが楽しくなったりして(笑)。 ちょうど職員が(院内で)スマホを利用し始めた時期とも重なったので、QRコードとの親和性が高かったのも良かったと思います。

トライアル時からそのような利用促進をしていただいていたのですね?

はい、トライアルの終了後も“利用時のベストセブン“を紹介したり宣伝して、その流れで本番導入しました。

本番導入後はいかがでしたか?

本番導入後はどうにかして利用を伸ばしたいと思って宣伝しました。 医療従事者向けに宣伝するのはもちろんなのですが、病院全体で利用してほしいので事務の方にも宣伝して(笑)。MOLイーブックスは医学だけでなく、食べ物やペット、子育て、株式投資の本まであるので、その辺りを宣伝していました。 それが結構食いつきが良くて(笑)。 ですので、初期に利用が伸びない・・みたいなことはなかったです。

院内宣伝の際にはダイレクトリンクがポイント!!

QRコードを宣伝資材に掲載しているということはやはりスマホのアクセスが多いのですか?

そこははっきりとは分からないので、しばらくしてQRコードだけではなく、書籍IDも掲載するようにしました。 QRコードがあってもキーワード検索でタイトルを検索して探す人も結構多くて、入力するワードを間違えて“見ることができない”と言われることもありました。 その際に、QRコードを作る際に使っていた書籍IDでMOLイーブックスを検索すれば1発で検索にヒットしたので、それ以降はQRコードに加えて書籍IDも掲載することにしました。 書籍のタイトルをいちいち入力するのも大変じゃないですか? やはり1発で書籍にアクセスできるという点でQRコードや書籍IDは有用だと思います。

周知資料はテーマ(対象部署)ごとに作っています

やはり検索1発で表示されるというのは大きいのですね?

そうですね、それとウチの病院は訪問看護やケアマネの事業所が入っているのですが、 その人たちにも何とかMOLイーブックスを知ってほしくて、各職種向けのラインナップを揃えて“こんな本がありますけど、どうですか?” と周知しています。 その流れで“助産師さん向けのおススメ“のような形でテーマ別におすすめを作っていたら、それがちょっとずつ楽しくなってきて色々と作っています。

結構色々とテーマに分けて作られていますし、各テーマでの冊数も結構ありますね。

そうなんです、どんどん範囲が広くなってしまっています(笑)

伊藤さんが作成した周知資料。テーマや部署ごとに制作しておりQRコードだけでなく書籍IDも記載している。
製作した資料は年度やテーマ等でファイルに分けてアーカイブされており、入り口正面に置かれていた。

イーブックのメリットはバンバン伝えています!!

おすすめ書籍以外の利用促進はどのようになさっていますか?

お会いするスタッフや先生に口頭でもお伝えしています。 例えば、“同時アクセス無制限で読めます”とか、“年間購読なので好きなだけ読めます”などもそうですし、“スマホでアクセスすると便利ですよ?”、“ 通勤途中の電車でも読めますよ?”と院外利用も周知して。そうすると、先生も「それって凄いねっ!!」と言ってくださるので手ごたえは感じます。 こんな感じで、メリットはバンバン伝えています(笑)。

ありがとうございます。

通勤移動が長い先生から「(MOLイーブックスを読んでいるので)最近移動が楽しいんだよね」と言われたこともあります。 個人的には、ご自身の専門分野ではないのにおすすめ書籍リストで「こんな本もあるんだね」といって読んでいただいたときは手応えを感じます!!

周知活動は継続がポイント

やはり資料だけでなく、直接口頭で伝えることも大事なのですね?

そうですね。あとはやはり続けることが大事だと思います。 私は地道に毎月MOLイーブックスに新刊がアップされると、直ぐに新着書籍リストを作成して周知を行うのですが、これも、1回や2回で“そこそこ利用率が上がったからもういいや“としていたら、ここまで利用率も安定していなかったと思います。

いかにルーチン化できるか?というところでしょうか?

そう思います。最初のリアクションというのはほんの数名の先生で、リアクションの良い先生は決まっているのですが、続けていると、新着の1ヶ月くらい遅れて質問に来る方や“いつもQRコード貼ってあるけど、これどうやって見るの?”と聞いてくる方が出てきたりするので、やはり継続は大事だと思います。 気がつくまでには人それぞれ時間がかかるので1回やって終わりにしない、というのはもちろんですが、色々なやり方をしないと浸透しないというのもあると思います。

年間購読は投資に見合う効果が出ていると思います!!

貴院での年間利用を見ると、約700種類の書籍にアクセスしていました。この数字はどのように感じていますか?

いや、びっくりしました!! 管理者ページで毎月の利用は見ていたのですが、何種類の書籍を読んだかという視点で見たことが無かったので、数字を聞いて凄いなって思いました。 通常、電子書籍というのは決まった書籍を購入するのでそれしか見ることができないですが、先程の先生のように自分の分野ではない書籍にアクセスするのは、多くの種類の中から選べるからこそで、年間購読制でないとできないことですよね。 これだけの種類の書籍にアクセスできるというのは本当に便利で助かっています。 年間購読の費用という投資に対して、それに見合うものは返ってきているという感触はとてもあります。

ありがとうございます。

逆にこのお値段で良いのかな?って(笑)この価格でここまでのラインナップって!! こんなに使わせてもらっていて、本当にもうすみませんというのが正直なところです。 メディカルオンラインは、もともと文献配信から利用していて、その時点で利用者に寄り添ってくれるサービスだなと思っていまして、それがさらに電子書籍をこういう形で提供してくださるというのは非常にありがたいですね。

見落としがちなID/パスワードの周知

話は戻りますが、訪問看護やケアマネの方におすすめいただいたということですが、利用はいかがでしょうか?

いや、それが当初は利用が無くて。というのも、MOLイーブックスを周知するようになって初めてメディカルオンラインが当院で使えるということに気づく方が結構いまして。 そのため、やはりメディカルオンライン自体のID/パスワードの周知、利用できるという周知も大事だと思います。 当院は利用統計を分析するために部署ごとにIDを分けて発行していますが、それ(ID/パスワード)を記載したカードを部署ごとに作成しています。 最初は看護師さん向けにカードを作ったのですが、それがたまたまネームバッジに入るサイズで、“ぴったり入るね!”なんて言ってくれて喜ばれました。 院内のイントラネットに各部署向けのID/パスワードは掲載しているのですが、やはり皆さん見ていない・・そこで全部署向けのカードを作って各部署まで届けていました。 それをある時、図書室の掲示板に全部署分を掲示したところ、多くの職員の目に留まったからか、予想以上にカードが無くなりました。

そもそもメディカルオンラインのID/パスワードが無いとイーブックスも使えないですよね。

そうなんです。

各部署向けのMOL ID/パスワードが書かれたカード。職員のネームカードにちょうどよい大きさ。
各部署向けのカードは情報センター内に掲示されている。これをきっかけにMOLが利用できることを知るスタッフも多い。

目指せ、1万冊!!

いろいろとお聞かせいただきありがとうございました。伊藤さんのお話を伺って、いかに院内で我々のサービスを周知いただく事が大事か分かりました。 最後に、今後のMOLイーブックスに関するご要望等はございますか?

個人的には当院の図書管理システムにMOLイーブックスの年間購読書籍を全て登録してリンクさせることですが(笑)。 やはり、配信書籍の追加ですかね?現在年間購読では約7,000冊と聞いていますので、ぜひ1万冊をお願いしたいです!! 1万冊目はどこの出版社さんの書籍なのかな、なんて想像しています(笑)

Profile施設情報

湘南藤沢徳洲会病院 医学情報センター

湘南藤沢徳洲会病院:外観
面積 135㎡
座席数 18席
担当職員 1名
PC 9台(内ネット環境 8台)利用者用は6台
FAX 1台
複合機 1機
蔵書数
  • 単行本 8,800冊
  • 製本雑誌 1,325冊
受け入れ雑誌数
  • 洋雑誌:2タイトル
  • 和雑誌:25タイトル
電子ジャーナルパッケージ
  • メディカルオンライン
  • 医書.jp
  • MEDLINE Complete
  • ClinicalKey
  • Ovid Clinical Edge
Webサイト

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