抗RSV新規薬 EDP-938でボランティアチャレンジRCTを敢行
EDP-938, a Respiratory Syncytial Virus Inhibitor, in a Human Virus Challenge
背景
EDP-938は、RSVに対する新規非融合複製阻害薬(ウイルスNタンパクを修飾)である。Enanta PharmaceuticalsのAhmadらは、178名のボランティア参加者を対象として同薬の効果・安全性を検証する第2a相RCTを行った(対照:プラセボ)。参加者にはRSV-A Memphis 37bウイルスを接種し、一次エンドポイントとしてRSV ウイルス量の曲線下面積(AUC)を測定した。
結論
検証全用量でEDP-938の一次エンドポイント効果を認めた(600 mg/日で204 vs. プラセボ 790)。 平均総症状スコア・粘液産生でも有効であった。実薬の安全性プロファイルはプラセボと同様であった。
評価
幼児や高齢者に対して投与されることになるファーストインクラス薬であるため行われた、ボランティアに対するチャレンジ試験である。有望とみられれる結果を出したが、リアルワールドでは脆弱者が重症化してから受診することになるため状況は異なる。進展が期待される。