初発ALL小児患者で地固め療法後の化学療法をブリナツモマブで置き換える:AIEOP-BFM ALL 2017試験
Blinatumomab for Replacing Chemotherapy in Pediatric Acute Lymphoblastic Leukemia
背景
ブリナツモマブはB細胞に発現するCD19抗原を標的とする二重特異性抗体で、成人および小児のB細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)の治療を再定義しつつある。2025年に発表されたAALL1731試験では、標準リスクの新規診断B-ALL小児患者において化学療法への上乗せ有効性を示している(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2411680)。
ドイツChristian Albrechts University KielのSchrappeら(AIEOP-BFM ALL 2017)は、ヨーロッパを中心とする8ヵ国で新規診断された高リスクB-ALL小児患者において、地固め療法後にブリナツモマブまたは化学療法を2サイクル行い、無イベント生存期間を比較する第3相RCTを実施した(n=709)。/p>
結論
事前指定された6年目時点での中間解析(追跡期間の中央値2.9年)では、4年無イベント生存率はブリナツモマブ群83.0%、化学療法群70.3%と、ブリナツモマブ群で有意に改善した(ハザード比[HR] 0.51)。
治験治療に関連する感染症は、ブリナツモマブ群の23.9%、化学療法群の69.4%に認められた。生命を脅かす有害事象はブリナツモマブ群で2件(うち1件は死亡)、化学療法群では16件発生した。神経毒性事象はそれぞれ12.0%、3.2%に報告された。グレード2以上のサイトカイン放出症候群は、ブリナツモマブ群の1.1%に発生した。
評価
高リスクB-ALL小児において、毒性の強い化学療法を増強する代わりにブリナツモマブに置き換えることで、毒性を軽減するだけでなく、イベントリスクが大きく抑制された。
小児ALLにおける化学療法のデ・エスカレーションは再発の増加に阻まれてきた歴史があるが、本試験は高強度な化学療法ブロックをより有効な免疫療法に置き換えるという方向性に強い支持を与えるエビデンスとなる。


