全死因死亡・腎不全リスク予測でmGFRを正確に反映するのはeGFRcr-cys
Measured and Estimated Glomerular Filtration Rates and Risk of Adverse Health Outcomes
背景
eGFRの低下は死亡や腎イベントのリスク上昇と関連するが、イオヘキソール等で実測した実測糸球体濾過量(mGFR)と臨床アウトカムとの関連や各種推算式との精度差は。
オランダLeiden UniversityのFuらは、同国の成人6,174名を対象に、mGFRの低下が全死因死亡および腎不全による腎代替療法(一次アウトカム)のリスクに及ぼす影響を解析するコホート研究を行った。
結論
中央値5.9年の追跡期間中、mGFR 60 mL/min/1.73m2は90 mL/min/1.73m2と比較して、全死因死亡(1,000人年あたり27.6件 vs. 22.4件、HR: 1.21)および代替療法を要する腎不全(1,000人年あたり1.2件 vs. 0.4件、HR: 2.85)の有意な高リスク化と関連していた。死亡リスクとの関連において、最もmGFRの実態を正確に反映していたのは、クレアチニン・シスチチンC併用推算式(eGFRcr-cys)であった。
評価
広く用いられているeGFRによるCKD評の予後予測妥当性を、実測値(mGFR)との比較において再検討した。従来のeGFRcrが死亡リスクを過小評価し、eGFRcysが過大評価する傾向にある中で、両者を併用したeGFRcr-cysがmGFRの予後予測価値を最も緊密に反映することを示して、今後の臨床評価法選定に重要なエビデンスを提示した。一方、対象が単一地域かつ特定臨床背景(中央値59歳、男性60%)の集団に限定された後向観察研究であることは、限界である。


