エンシトレルビルがCOVID-19の曝露後予防に成功:SCORPIO-PEP試験
Ensitrelvir for Covid-19 Postexposure Prophylaxis in Household Contacts
背景
エンシトレルビルはSARS-CoV-2の3C様プロテアーゼを阻害する経口抗ウイルス薬で、日本では軽症・中等症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として承認されている。
アメリカUniversity of Virginia Health SystemのHaydenらは、発症から72時間以内の陽性者と同居する接触者を対象とした曝露後予防としてのエンシトレルビル5日間投与の有効性・安全性を検証する国際共同第3相試験を行った(対照: プラセボ)。
一次エンドポイントは、修正ITT集団(2,041名)における、10日目までの症候性COVID-19発症であった。
結論
エンシトレルビルの一次エンドポイント効果を認めた:発症率2.9% vs. 9.0%。これにより、発症リスクを67%減少させる有効性が示された。安全性に関しては、有害事象の発現率は両群で同程度で、重篤事象・死亡・COVID-19関連入院も報告されなかった。
評価
COVID-19の曝露後予防(PEP)では、これまでリトナビルとモルヌピラビルが失敗してきており、今回のエンシトレルビルの成功は画期的である。同薬の血中半減期の長さが5日間の服用期間を超えて持続的な保護に寄与した可能性が示唆される。
ただし、同薬はCYP3A阻害作用を持つため併用禁忌薬が多く、特に高齢者では使用時に注意深い確認が必要である。


