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カテゴリー: | その他 |
ジャーナル名: | The Lancet |
年月: | November 2019 |
巻: | 394 |
開始ページ: | 1737 |
【背景】
コントロール不良喘息にICS(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル:BDP)+LABA(ホルモテロールフマル酸塩水和物:FF)+LAMA(グリコピロニウム:G)の3剤併用(トリプル)吸入療法は有効か。ドイツUniversitatsmedizin RostockのVirchowら(TRIMARAN/TRIGGER)は、同成人患者(TRIMARAN:1,155名, TRIGGER:1,437名)を対象としてこれを検証する2RCTを行った。患者は、2週間のBDP/FF投与後に、TRIMARAN試験では3剤併用もしくは2剤併用(BDP/FF)、TRIGGER試験では3剤併用もしくは2剤併用もしくはオープンラベル下3剤併用に割り付けた。一次エンドポイントは、26週時の投与前FFV1と52週間の中等〜重度の増悪発生率である。
【結論】
トリプル療法の一次エンドポイント効果を認めた。FFV1はTRIMARANで57mL(p=0.008)、TRIGGERで73mL(p=0.0025)、増悪発生率の減少はTRIMARANで15%、TRIGGERで12%であった。
【評価】
COPDに対する単一デバイスによるトリプル吸入療法の有効性のエビデンスは多いが、本RCTにより重度喘息への有効性が初めて報告された。バイオマーカーへの効果が報告されていないが、費用効果的には生物学的製剤より魅力的である。