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カテゴリー: | 整形外科・理学療法 |
ジャーナル名: | British Journal of Sports Medicine |
年月: | June 2020 |
巻: | Online first |
開始ページ: | Online first |
【背景】
股関節痛への理学療法(PT)介入の有効性に関するエビデンスは。オーストラリアLa Trobe UniversityのKempらは、14文献(n=542)を対象とするステマティックレビューとメタ解析を行なった。対象は股関節インピンジメントを含む股関節関連疼痛を有する18歳以上患者、アウトカムは疼痛軽減・機能改善である。
【結論】
14文献ともバイアスリスクが高く、プラセボ対照RCTは皆無だった。関節鏡検査後無治療と比べたPT指導下介入の機能改善への有効性の効果量は中等(0.67)であり、股関節鏡視下手術の方がPT指導下介入よりも統合効果量は大きかった(−0.32)。
【評価】
この主題に関するエビデンスの脆弱性は明らかである。効果量も機能改善においてのみで、疼痛軽減に関しては不明であるが、共通尺度が無いことが問題の一つでもある。患者報告転帰測定(PROM)においてもHAGOS・ IHOTが有用であるとの見方がある(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32066573/)。