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カテゴリー: | 癌 |
ジャーナル名: | Journal of Clinical Oncology |
年月: | November 2020 |
巻: | 38 |
開始ページ: | 3863 |
【背景】
免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブをいつまで投与すべきかは基本的な問題であるが、これまで十分なエビデンスは存在しなかった。Oncology Hematology CareのWaterhouseらは、治療歴を有する進行非小細胞肺がん患者においてニボルマブ単剤療法を実施し、1年後にも治療が継続されていた患者を病勢進行または毒性イベントまで投与を継続する継続治療群と治療を終了する1年治療群(病勢進行後の再治療は許容)へと割り付けるランダム化比較試験CheckMate 153の探索的解析結果を報告した。
【結論】
1,428名の患者中252名が治療を継続しており(過半は無増悪)、いずれかの治療群にランダム化された。ランダム化後の無増悪生存期間は、継続治療群で中央値24.7ヵ月、1年治療群は9.4ヵ月であり、継続治療群で延長した(ハザード比0.56)。全生存期間は継続治療群で中央値未達、1年治療群では32.5ヵ月であった(0.61)。新規の治療関連有害事象はほとんど発生しなかった。
【評価】
ニボルマブは一部適応を除いて投与期間に限定がない。本試験の結果は、奏効患者では1年を超えて投与を継続することを支持するが、より晩期での治療終了や投与間隔の拡大などは検討されるべきテーマとして残る。