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カテゴリー: | 看護・母子医学 |
ジャーナル名: | Oncology Nursing Forum |
年月: | January 2018 |
巻: | 45 |
開始ページ: | 77 |
【背景】
高齢乳がん女性の診断後10年までの心不全(HF)と全生存期間との関連は。University of MichiganのHarrisonらは、SEERがんレジストリを用いた後向コホート研究により、HFと死亡率との関連、死亡リスクに対する心不全の相対的寄与と乳がんステージの関連を検討した(n=3,689;浸潤性乳がんと診断された65歳以上の女性;HFの自己報告n=239)。
【結論】
他因子調整後、HFを有することで、がん診断後10年までの死亡率が増加した。がんステージによる調整サブ解析では、HFはステージI・IIで診断後10年までの死亡リスク増と関連していたが、III・IVではそうではなかった。早期乳がんは一般的に予後が良好だが、HFによる死亡リスクは進行がんより高い。
【評価】
併存疾患を有する女性患者は乳がん臨床試験から除外され、がんの臨床試験では心不全生存率を評価するための長期フォローアップが不十分である。早期乳がんに対する過剰治療は心血管リスクでありえる。