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カテゴリー: | 看護・母子医学 |
ジャーナル名: | Oncology Nursing Forum |
年月: | May 2017 |
巻: | 44 |
開始ページ: | E101 |
【背景】
ホルモン受容体陽性(HR+)乳がん患者の術後内分泌療法(Adjuvant endocrine therapy: AET)は再発リスクを低減するが、アドヒアランス向上のためのタイムリーな臨床介入が課題となっている。The University of TexasのBluethmannらは、HR+乳がんサバイバーのAET経験に関する定性的研究を含む混合研究を行なった(n=452:AET副作用の評価と管理の記述、AET開始・中止・継続の分析)。
【結論】
アドヒアランスが良好な参加者では、副作用の忍容・我慢強さが顕著だった。アドヒアランスが良好でない参加者は副作用がより忍容されず、副作用がひどい場合にはAETが有効であることも認知し難かった。すべての参加者で最も一般的な副作用は、更年期症状・関節痛で、認知低下・心筋梗塞はあまり一般的でなかった。アドヒアランスが良好でない参加者は当初モチベーションがあったように見えたが、副作用の忍容限度に達した後では、AETの維持/中止の決定に専門家の推奨があまり影響を及ぼさなかった。
【評価】
AETは何も「起こらない」ことを目指しているため、効果が自覚しにくく副作用が目立ちやすい。著者らは、「看護師は、副作用やAETのアドヒアランスを管理するために、臨床介入の計画と実施に関与すべき」としている。患者のAETアドヒアランスは、集学チームが治療している場合に達成される可能性が高い(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28152150)、という研究もある。