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カテゴリー: | 生活習慣病 |
ジャーナル名: | The New England Journal of Medicine |
年月: | October 2020 |
巻: | 357 |
開始ページ: | 1535 |
【背景】
肥満外科手術は肥満患者の平均余命を延ばすか。スウェーデンSahlgrenska UniversityのCarlsson(SOS)らは、肥満外科手術を行なった患者2,007名と標準肥満治療を行なった対照患者2,040名、および同国無作為抽出SOSreferenceコホート1,135名を対象として、死亡イベント発生と平均余命とを比較する前向コホート研究を行なった。
【結論】
死亡イベント追跡期間中央値20〜24年で、全原因死亡イベント発生は手術群が対照群より少なく(HR:0.77)、心血管因死亡・癌原因死亡も同様だった。手術群の調整平均余命中央値は対照群より3.0年長かったが、一般集団より5.5年短かった。手術群の術後90日以内死亡率は0.2%、再手術率は2.9%であった。
【評価】
この問題を追求しているスウェーデンのSwedish Obese Subjects Studyグループの最新報告で、2007年の結論(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa066254)を上書きした。肥満外科手術の延命効果の強固な観察研究エビデンスである。