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カテゴリー: | 生活習慣病 |
ジャーナル名: | Annals of Internal Medicine |
年月: | August 2019 |
巻: | 171 |
開始ページ: | 190 |
【背景】
栄養サプリやダイエットの健康効果に関し膨大な論文が発表されてきたが、死亡や心血管イベントというハードアウトカムに関するRCTの結果はどうなのか。West Virginia UniversityのKhanらは、成人を対象とし、全死亡・心血管疾患をアウトカムとした244臨床試験(24介入:n=992,129)のアンブレラレビュー・ネットワークメタ解析を行った。
【結論】
中等度エビデンスレベルで、正常血圧者における塩分摂取減は全原因死亡リスクの低下(RR:0.90)、高血圧者における心血管原因死亡リスクの低下と関連した(RR:0.67)。低度エビデンスレベルで、ω3LCPUFAは心筋梗塞(RR:0.92)・冠動脈疾患(RR:0.93)のリスク低下と関連し、葉酸は脳卒中リスク低下と関連した(RR:0.80)。また中等エビデンスレベルで、カルシウム・ビタミンDは脳卒中リスク増と関連した(RR:1.17)。
【評価】
今までのこのテーマのRCTの全統合を目指した野心的レビューである。上質エビデンスが皆無、という評価は衝撃的であり、「常識」ともいえる減塩のエビデンスレベルを「中等度」、「推奨」の向きの多いω3を「低度」とし、Mediranean dietに至ってはエビデンスを認めていない。サプリ・ダイエット研究という大分野の存在意義自体を問題視する論争的論文である。