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カテゴリー: | 生活習慣病 |
ジャーナル名: | Diabetes |
年月: | April 2019 |
巻: | 68 |
開始ページ: | 847 |
【背景】
1型糖尿病(T1D)リスクの遺伝子的基礎に関する検討が進んでいる。ドイツGerman Research Center for Environmental HealthのHippichら(TEDDY研究)は、40万人の新生児の健診から同定した高リスクHLA保有児4,573名の解析結果を報告している。
【結論】
一般集団(GP)児と比べ第一度近親者(FDR)病歴保有児では、既報T1D感受性遺伝子および新規リスク遺伝子BTNL2の濃縮が示された。遺伝子濃縮の補正後にはFDR児とGP児のリスクは収束したが、なお膵島自己抗体保有(HR:2.26)・DM(HR:2.92)のリスクは異なった。高遺伝的感受性群では膵島自己抗体・DMへのリスクは同等だったが、低遺伝的感受性群では、FDR児でのみリスクに5.8倍程度の大差があった。
【評価】
著者らの示唆は、遺伝的感受性の低い児では何か他の家系因子が自己抗体生成やT1D発症に寄与している、ということである。仮説生成的結果である。