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カテゴリー: | 生活習慣病 |
ジャーナル名: | The Lancet |
年月: | January 2019 |
巻: | Online first |
開始ページ: | Online first |
【背景】
摂取炭水化物に関しては量(カロリー)より「質」が重要であることが認知されつつある。ニュージーランドUniversity of OtagoのMannらは、この問題を扱った185の前向観察研究と58RCT(計約1.35億人-年)の系統レビュー・メタ解析を行った。
【結論】
食物繊維高摂取者と低摂取者の比較に関し、観察研究では、前者が後者より全死因死亡・心血管疾患因死亡・冠動脈疾患の発生率、脳卒中の発生率・死亡率、T2D・大腸癌の発生率が15〜30%低く、またRCTでは、体重・収縮期血圧・総コレステロール値が低かった。食物繊維の有益性閾値は25g〜29g/Dで、用量反応関係があった。全粒穀類摂取でも同様な結果だったが、グリセミック指数との関連は有意でなかった。
【評価】
主流化しつつある現代的見解を裏書きする結論的本格メタアナリシスであり、観察研究とRCTとが整合していることを示した点も有意義である。GIの指標としての低価値を示唆したこともインパクトが大きい。著者らは、この結論が一般人口集団に関するものであり、食物繊維の慢性疾患患者への効果を示したものでないことを強調している。