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カテゴリー: | 生活習慣病 |
ジャーナル名: | Diabetes |
年月: | January 2019 |
巻: | 68 |
開始ページ: | 57 |
【背景】
ライフスタイル介入による減量ではリバウンド現象が頻繁に起こり、その基礎メカニズムおよび予測因子の同定が重要となっている。ドイツCharite-Universitatsmedizin BerlinのMaiらは、意図的減量介入のRCTに参加した成人143名の代謝基盤を分析した。
【結論】
脂肪および骨格筋生検における無バイアスRNAシーケンシングにより、介入的減量に関わる中心経路が脂肪酸代謝系であることが示された。さらに、血清アシルカルニチン(AC)値が全身的基質フローのスナップショットを与え、意図的減量18ヶ月後での体重維持を予測することが明らかとなった。このような結果は、小児・青年でのRCTでも再現された。これらのデータは、負のエネルギーバランスへの反応としての脂質利用の適応的変化が、その後の体重維持に寄与することを示唆し、殊に、現在まで細胞内基質利用を反映するとされてきた血中ACが、末梢でのエネルギー貯蔵と長期的エネルギーホメオスタシスの機能的メディエーターであることを示す。
【評価】
この現象に関する研究は多く、神経-行動-内分泌的側面が重視されてきたが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25896063)、脂肪酸代謝系の中心性を示して意外な血清予測因子まで特定した。重要な仮説生成的発端研究である。