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カテゴリー: | 生活習慣病 |
ジャーナル名: | The Lancet Global Health |
年月: | August 2018 |
巻: | 6 |
開始ページ: | e875 |
【背景】
胎児・乳児期の低栄養が後年悪影響を与える、という観察研究が多い。Emory UniversityのSteinらは、グアテマラで行われた低栄養児へのタンパク・エネルギー補完試験(Atole)の前向無作為化データの再解析により、誕生以後2歳までのタンパク質摂取が後年の心血管代謝疾患リスクに与える影響を検討した(n=2,392)。
【結論】
2歳までのタンパク補完は、後年のBMI増・肥満(OR:1.94)・拡張期血圧上昇・血中脂質増と関連する一方、食後血糖値の低下と糖尿病オッズの低下(OR:0.46)とも関連した。このような関連には性差のある可能性もあった。
【評価】
乳児期の低栄養はよくない、という観察研究による常識的な見方を前向試験の解析によって退け、乳幼児期からの過食は後年の肥満につながる、という側面とのバランスを強調した。乳幼児期に十分にタンパク質を摂るとDMになりにくい、という興味ある仮説も生成している。