海外ジャーナルレビュー : 「生活習慣病」

全欧ビッグデータ解析が示す、「アルコールが安全なのは週100gまで」
Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599 912 current drinkers in 83 prospective studies [ 原文(アブストラクト)を読む⇒ ]

カテゴリー:生活習慣病
ジャーナル名:The Lancet
年月:April 2018
巻:391
開始ページ:1513
【背景】
アルコール消費が低リスクでありうる閾値はどのレベルか。イギリスUniversity of CambridgeのWoodらは、19高所得国の心血管疾患罹患歴のない現飲酒者に関する83前向研究に参加した599,912名の個人データに基づき、飲酒量が全死亡・全心血管疾患・心血管疾患に与える影響を評価した。
【結論】
全死亡と飲酒量は非リニアにではあるが正に関連し、1週間当たり100g周辺ないし以下が最も死亡率が低かった。他方、飲酒量はラフにではあるがリニアに、脳卒中(1週間当たり100g増毎のHR1.14)・心筋梗塞以外の冠疾患(1.06)・心不全(1.09)・致命的高血圧性疾患(1.24)・致命的大動脈瘤(1.15)のリスクを高めた。一方、飲酒量はログリニアに心筋梗塞リスクを低下させた。1週間当たりの飲酒量100g以下の人と比較して、>100〜≦200g・>200〜≦350g・>350gの人は40歳時点での平均余命が各6ヶ月・1〜2年・4〜5年短かかった。
【評価】
重要だが論争的な主題に、全欧共同研究が現時点で信頼度最高レベルの結果を提示した。「安全なのはせいぜい週100gまで」という衝撃的な結果は、メディアにも多く取り上げられている。ここでも示唆されている、アルコールの心筋梗塞予防性や飲酒に至適量が存在するのかどうかという問題を確定するには大規模RCTしかないが、アメリカでの「適度の飲酒は健康に良い」という仮説に基づくRCTの企画は、企業スポンサー研究であるため批判に曝されている(https://www.wired.com/story/a-massive-health-study-on-booze-brought-to-you-by-big-alcohol/)。
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大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。
(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)
Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)
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