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カテゴリー: | 生活習慣病 |
ジャーナル名: | The Lancet |
年月: | August 2017 |
巻: | Online first |
開始ページ: | Online first |
【背景】
果物・野菜・豆類の摂取の健康効果は常識化しているが、多様な地域の集団でこれを確認するグローバル研究はなお必要である。カナダMcMaster UniversityのMillerら(PURE)は、南北アメリカ・ヨーロッパ・中東・南アジア・中国・東南アジアの住民を対象とする国際前向コホート研究を行った(n=135,335)。
【結論】
調査期間は2003/1/1〜2013/3/31、最終データは2017/3/31時点であり、果物・野菜・豆類摂取平均は1日当たり3.91単位(serving)であった。追跡期間中央値7.4年で、多因子調整後、主要心血管疾患(aHR:0.90)・心筋梗塞(0.99)・脳卒中(0.92)・心血管疾患因死亡(0.73)・非心血管疾患因死亡(0.84)・全原因死亡(0.81)に対する果物・野菜・豆類のリスク低減効果を確認した。果物摂取は心血管疾患因死亡・非心血管疾患因死亡・全原因死亡のリスク低下と、豆類摂取は非心血管疾患因死亡・全原因死亡のリスク上昇と、野菜摂取は、生野菜の場合全原因死亡リスクの大幅低下と関連したが、加工野菜では全原因死亡リスク低下とわずかに関連していた。
【評価】
広汎に研究されている主題で、80万人以上をカバーするメタアナリシスもあるが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25073782)、今までなかった途上国のデータまで含め、初めてのグローバル研究結果を提示した。大枠の結論は従前と変わらないが、ニュアンスの違う部分もある。同研究は、ファット/カーボ問題にフォーカスした結果も発表しており、「ハイファットよりハイカーボの方がよくない」ことを示唆している(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28864332)。