海外ジャーナルレビュー : 「救急医療」

人種を考慮しないより正確なeGFRアルゴリズム
New Creatinine- and Cystatin C-Based Equations to Estimate GFR without Race [ 原文(アブストラクト)を読む⇒ ]

カテゴリー:救急医療
ジャーナル名:The New England Journal of Medicine
年月:September 2021
巻:Online first
開始ページ:Online first
【背景】
欧米で広く用いられてきた推算糸球体濾過量(eGFR)アルゴリズムには人種による補正が存在するが、これが黒人のリスクを低く見積もってきた可能性が指摘されている。Tufts Medical CenterのInkerらは、血清クレアチニンに関する研究10件、8,254名(黒人31.5%)、血清クレアチニン・シスタチンCに関する研究13件、5,352名(黒人39.7%)の2つのデータセットを用い、人種を変数として含まない新たなeGFR式を開発し、4,050名(黒人14.3%)の検証データセットにおいてGFR測定値と比較し、現行のeGFRアルゴリズムと比較した。
【結論】
年齢・性別・人種を用いた現行のクレアチニンeGFR式では、黒人のGFRが過大評価された(中央値3.7 ml/分/1.73m2)。黒人種での補正を省略すると、黒人のGFRは過小評価された(7.1 ml)。人種を省略した新たなクレアチニンeGFR式は、黒人のGFRを過小評価し(3.6 ml)、非黒人では過大評価した(3.9 ml)。一方、クレアチニンおよびシスタチンCを用いた新たなeGFR式は、クレアチニンeGFR式と比して精度が高く、人種間差も小さかった。
【評価】
これまで当然視されてきた人種別アルゴリズムだが、近年、特定の人種の医療リスクを低く見積もり、構造的差別の一部となる可能性が指摘されており、NKFとASNのタスクフォースは、eGFR推定のために人種を用いない包括的なアプローチの採用を推奨した(https://doi.org/10.1053/j.ajkd.2021.08.003)。この研究は、クレアチニンとシスタチンCを組み合わせたeGFR式が、人種変数無しでより正確な推定をもたらすことを明らかにした。
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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)
The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)
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