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カテゴリー: | 救急医療 |
ジャーナル名: | Annals of Emergency Medicine |
年月: | January 2021 |
巻: | 77 |
開始ページ: | 117 |
【背景】
医学においても女性のプレゼンスを高めることは喫緊の課題であるが、救急医療系ジャーナルの編集委員会の性差の現状は。Rush University Medical CenterのGottliebらは、Scimago Journal & Country Rankを用いて2019年8月時点のすべての救急医療ジャーナルのリストを作成し、編集委員長と編集委員の性別分布を調査した。
【結論】
73誌が特定され、うち発刊終了したジャーナル、救急医療ジャーナルではないジャーナル、編集委員ローテーション制のジャーナル、名前の記載のないジャーナルを除外し、37誌が分析に含まれた(99.5%で性別を特定)。46名の編集長のうち、女性は4名(8.7%)のみであった。また総数1,477名の編集委員のうち、女性は241名(16.3%)であった。ジャーナルごとの女性の割合は、0%から最大33.3%であった。4誌で設けられていたソーシャルメディア編集委員については7名中2名が、レジデント・フェロー編集委員については10名中7名が女性であった。
【評価】
女性著者の論文が出版過程で不利なバイアスを被ることを示唆する論文もあり、医学界における女性のプレゼンスの低さは単なる道徳的懸念を超えて、具体的な害としても議論されつつある。救急領域は全体と比して女性医師の割合が低いが、ここで示されたエディターの男女比はそれよりもさらに男性優位であった。筆頭著者が女性の論文は増加傾向にあり、編集委員の構成についても各ジャーナルの積極的役割が求められよう。