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カテゴリー: | 救急医療 |
ジャーナル名: | Critical Care Medicine |
年月: | July 2020 |
巻: | 48 |
開始ページ: | 1055 |
【背景】
近年、ICUの重症患者に対する早期リハビリの重要性が認識されるようになっている。チェコCharles UniversityのWaldaufらは、システマティックレビューにより重症成人患者で標準ケアとリハビリテーションを比較したランダム化比較試験を特定し、メタアナリシスを実施した。
【結論】
43件のランダム化比較試験(サイクリングが9件、神経筋電気刺激14件、プロトコル化された理学療法20件)が同定された。3,548名がランダム化され、介入による重篤有害事象はなかった。運動介入は死亡率に影響しなかったが(オッズ比0.94)、人工呼吸期間を短縮(−1.7日)、ICU滞在期間を短縮した(−1.2日)。入院期間の短縮は有意ではなかった(−1.6日)。人工呼吸・ICU期間の短縮効果は、プロトコル化された理学リハでのみ認められ、ICU滞在期間が長く、APACHE IIが低い患者で特に有効であった。早期の介入開始によるベネフィットは認められなかった。また大半の試験で、プロトコル規定量より実際のリハビリ量が大幅に少なかった。
【評価】
ICUからの理学リハは死亡率には影響しなかったが、人工呼吸期間・ICU期間の短縮につながることを確認した。ICU滞在期間が長く、比較的安定した患者では特に効果が大きかった。