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カテゴリー: | 救急医療 |
ジャーナル名: | Academic Emergency Medicine |
年月: | June 2020 |
巻: | Online first |
開始ページ: | Online first |
【背景】
多くの国ではCOVID-19患者の全員を入院させることは現実的ではなく、日本でも軽症患者では自宅や宿泊施設での管理が行われている。Swedish Hospital Part of NorthShore University HealthSystemのShahらは、重症でないCOVID-19患者に在宅モニタリングツールとしてパルスオキシメーターを配布し8時間おきにSpO2測定を求め、92%未満の値が連続または緊急を要する場合に再度救急を受診するよう指示した(n=77)。
【結論】
自宅での安静時SpO2が92%未満の患者は25%(19名)で、36%(28名)が救急を再受診し、29%(22名)がその後入院に至った。2名がICUで死亡した。自宅での安静時SpO2が92%未満の患者では入院リスクが高く(相対リスク7.0)、ICU入室リスク、ARDSリスク、敗血症性ショックのリスクとも関連した。入院に至ったSpO2低下患者の半分は、症状の悪化を伴わなかった。
【評価】
本研究のSpO2低下患者では、COVID-19で報告されてきた呼吸困難症状を伴わないが酸素飽和度が低下する「沈黙の低酸素」も半数程度あり、パルスオキシメーターによるモニタリングが一定の効果を上げていると考えられる。日本では、厚労省が宿泊療養にパルスオキシメーターを配備するよう求めている。