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カテゴリー: | 救急医療 |
ジャーナル名: | Critical Care Medicine |
年月: | July 2019 |
巻: | 47 |
開始ページ: | 951 |
【背景】
早期目標指向療法(EGDT)プロトコルの成功は、敗血症性ショックでの大量輸液アプローチを標準的なものとしたが、近年では過剰輸液の有害性が問題視されている。Alpert Medical School of Brown UniversityのCorlらは、救急からICUに入室した重症敗血症・敗血症性ショック患者を、72時間の制限的な輸液蘇生戦略(≦60 mL/kg)または通常ケアに割り付けるパイロットランダム化比較試験RIFTSを実施した(n=109)。
【結論】
72時間の静脈輸液は、制限戦略群で有意に少なかった(47.1 vs. 61.1 mL/kg)。30日死亡率は制限戦略群21.8%、通常ケア群22.2%であった(オッズ比1.02)。新規臓器不全発症、入院日数・ICU滞在日数、重篤有害事象に群間差はなかった。
【評価】
大量輸液戦略は過剰輸液につながることが問題視されてきたが、このRCTでは制限的な輸液でもアウトカムの悪化は見られなかった。敗血症性ショックの初期戦略として制限輸液/昇圧アプローチとリベラル輸液を比較するCLOVERS試験が進行中である(NCT03434028)。