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カテゴリー: | 救急医療 |
ジャーナル名: | The Lancet Respiratory Medicine |
年月: | February 2018 |
巻: | 7 |
開始ページ: | 163 |
【背景】
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対するECMO(体外式膜型人工肺)の使用に関しては、昨年EOLIA試験が無効の結論を下し議論を呼んだ。カナダMount Sinai HospitalのMunshiらは、従来的人工呼吸を受けるARDS成人患者で、ECMOの有無を比較したランダム化比較試験・観察研究を評価するシステマティックレビューとメタアナリシスを実施した。
【結論】
2件のRCT(n=429)では、VV ECMOにより60日死亡率が有意に低下した(34% vs. 47%、リスク比0.73)。GRADEエビデンスレベルは中程度であった。ECMO使用群での重大出血発生率に関するデータを報告した3件の研究では、19%で重大出血がみられた。
【評価】
EOLIA試験については、Bayesianアプローチによる事後解析からECMOが有効である可能性が高いとされたが(http://doi.org/10.1001/jama.2018.14276)、CESAR試験を含む本メタ解析結果は、ECMOの死亡率低下効果を確定した。