|
カテゴリー: | 救急医療 |
ジャーナル名: | The Lancet Respiratory Medicine |
年月: | January 2018 |
巻: | 6 |
開始ページ: | 40 |
【背景】
敗血症では早期の抗菌薬投与が重要であるが、病院前での投与に利益はあるか。オランダVrije UniversiteitのAlamらは、同国10地域の救急サービスでEMS従事者に敗血症認識のトレーニングを実施した後、敗血症への通常治療(酸素投与・輸液蘇生)に抗菌薬の早期投与(セフトリアキソン静注)を追加するランダム化試験PHANTASiを実施した(n=2,698)。
【結論】
救急部門到着の26分前(中央値)に抗菌薬投与を受け、通常治療群の患者は救急部門到着後70分で投与を受けた。28日死亡率は介入群8%・通常治療群8%であった。28日以内の再入院は介入群で少なかった(7% vs. 10%)。
【評価】
ガイドラインは1時間以内の抗菌薬開始を推奨しているが、死亡リスクに有意差を認めないとしたメタ解析もある(http://doi.org/10.1097/CCM.0000000000001142)。敗血症疑い例での早期抗菌薬投与を検証する初のRCTである本試験では、死亡率は低下せず、病院前からの投与は支持されなかった。