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カテゴリー: | 救急医療 |
ジャーナル名: | The Lancet Respiratory Medicine |
年月: | March 2017 |
巻: | 5 |
開始ページ: | 180 |
【背景】
フランスUniversity Hospital of AngersのAsfarらによるHYPERS2S試験は、同国22施設のICUで人工呼吸を受ける敗血症性ショック患者に、FiO2=1.0(高酸素)または88〜95%のSaO2目標値(通常酸素)による人工呼吸と、3.0%の高張食塩水または0.9%の等張食塩水による輸液蘇生をそれぞれ割り付ける、2×2要因デザインRCTであった(n=442)。
【結論】
試験は、安全性の理由により早期中止された。28日死亡率は、高酸素群43%・通常酸素群35%(ハザード比1.27)、高張食塩水群42%・生理食塩水群37%(1.19)であった。高酸素群ではICU-AW(11% vs. 6%)・無気肺(12% vs. 6%)が倍増するなど、重篤有害事象が有意に増加した(85% vs. 76%)。
【評価】
酸素過剰投与の弊害は近年語られているところであり、この試験でも死亡率に有意差はなかったものの多くの有害事象が発生した。高張食塩水についても敗血症での有効性は示されていない。