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カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | European Heart Journal |
年月: | October 2020 |
巻: | 41 |
開始ページ: | 3702 |
【背景】
急性心筋梗塞(AMI)・心不全に対する細胞治療の試みは歴史が長く、進展が遅い。イギリスQueen Mary University of LondonのMathurら(BAMI)は、PCI施行STEMI患者(LVEF≦45%)375名を対象に、骨髄由来単核球(BM-MNCs)冠動脈内注入の有効性を検証する第3相RCTを行った(対照:標準治療)。一次エンドポイントはランダム化から全死因死亡までの時間である。
【結論】
参加者不足・イベント低発生率により統計比較解析に至らなかった。2年全死因死亡率はBM-MNCs群3.26%、対照群3.82%であった。2年間フォローアップ期間内の心不全入院は、BM-MNCs群5例、対照群15例であった。
【評価】
STEMI患者の自己骨髄細胞治療の重要な先行試験としてはREPAIR-AMIがあり、204名対象のRCTで有望性を示唆していた(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16990384/)。「心筋幹細胞」事件(https://silex-transl.com/mir/anversa-cardiac-stem-cell/)のため結論が遅れていたが、ここでの大規模検証の結果は、「あまり有望でない」という結論に導くものであろう。