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カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | The Lancet |
年月: | July 2020 |
巻: | 396 |
開始ページ: | 121 |
【背景】
HFrEFに対しACEi・ARB以外に4系(ARNi・BB・MRA・SGLT2i)のオプションが存在しているが、それらを併用するとどうか。Brigham and Women's HospitalのVaduganathanらは、3 RCT(EMPHASIS-HF・PARADIGM-HF・DAPA-HF)のデータに基づき、ARNI・BB・MRA・ SGLT2iの4剤併用(包括的疾患修飾薬物療法[CDMPT])とACEi/ARB・BB併用の生存効果を比較するクロスオーバー解析を行った。一次エンドポイントは、心血管関連死・心不全入院である。
【結論】
一次エンドポイントにおけるCDMPTの有効性を認めた(HR:0.38)。心血管因死亡単独、心不全入院単独、全死因死亡においても有効性が示された。CDMPTにより、心血管関連死・心不全入院フリー期間は80歳で2.7年、55歳で8.3年延長し、55歳では生存期間が1.4〜6.3年延長した。
【評価】
4種の薬剤で5径路を修飾するという新しい戦略概念で、HFrEFに対する新しいスタンダードとなりうることを示唆した。重要問題であるため、直接的RCTが正当化される。