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カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | The Lancet |
年月: | July 2020 |
巻: | 396 |
開始ページ: | 97 |
【背景】
心血管系疾患(CVD)の性差が高所得国(HIC)で示されてきたが、グローバル研究は存在しない。カナダPopulation Health Research InstituteのWalli-Attaeiら(PURE)は、HIC・中低所得国(LMIC)27ヶ国の202,072名を対象とする前向コホート研究を行った(フォローアップ期間中央値9.5年)。
【結論】
経済的ステータスに関わらず、CVDリスク(INTERHEART・Framinhamリスクスコア)は女性で低かった(p<0.0001)。1次予防は女性で高頻度にみられ、CVD(aHR:0.75)・全死因死亡(aHR:0.62)両リスク共女性は有意に低かった。2次予防において女性で介入は少なかったが、CVD再発(aHR:0.73)・新規CVD発症後30日死亡(p<0.0001)リスクは女性で有意に低かった。これら性差はLMICで顕著にみられた。
【評価】
ユニークなグローバル疫学結果を発表し続けているPURE(https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)62000-6/fulltext)が、女性は男性よりCVDに罹りにくく(介入が少ないものの)アウトカムが不良でない、という結果を導いた。差異がHICでよりLMICで著しい、というのは更なる探求に値する初所見である。