|
カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | Journal of the American College of Cardiology |
年月: | May 2020 |
巻: | 75 |
開始ページ: | 2538 |
【背景】
冠微小循環障害(CMD)には機能性と構造性の2類型があることが明らかになりつつある。イギリスKings CollegeのRahmanらは、86名の狭心症患者を対象として、この分類の確定を報告している。
【結論】
患者を冠血流予備量(CFR)2閾値2.5で対照群とCMD群(n=46)に分け、後者を更に充血時微小血管抵抗2.5 mmHg/cm/sで機能性(n=28)・構造性(n=18)群に下位分類した。機能性群は、安静時冠血流量(CBF)・NOS活性が高かった。構造性群は、アセチルコリンFBF増幅が低く、また負荷時では酸素需要が全群中最も高くCBFピークが最も低かった。
【評価】
著者らは、機能性CMDでは心筋‐冠動脈カップリング不全が酸素需要増をまねく一方、構造性CMDでは全身性内皮細胞障害による心筋過活動を介して血流供給が相対的不足となる、という機構を提唱している。