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カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | Journal of the American College of Cardiology |
年月: | April 2020 |
巻: | 75 |
開始ページ: | 1676 |
【背景】
左心室内血栓(LVT)に対する抗凝固療法は有効か。フランスUniversitaire Pitie-SalpetriereのMontalescotらは、心エコーにてLVTを認めた患者159名を対象に後向解析を行い、臨床アウトカム(MACE・塞栓症・全死因死亡・出血事象)を評価した。
【結論】
76.1%にLVT減少が見られ、完全LVT退縮は62.3%に見られた(中央値103日以内)。LVT退縮の独立予測因子は、非虚血性心筋症(HR:2.74)・ベースライン血栓領域低値(HR:0.66)であった。MACE発生率に完全LVT退縮患者と持続性LVT患者で有意差は見られなかったが、死亡リスクは完全LVT退縮患者で低く(HR:0.48)、持続性LVT患者で出血リスクは高かった(HR:0.34)。LVEF≧35%(HR:0.46)・抗凝固療法>3ヶ月(HR:0.42)は、独立にMACE発生低リスクを予測した。
【評価】
LVTへの抗凝固療法の報告は少ないが、本解析によって大部分が血栓退縮可能と示された。DOACsを含めた評価は初めてである。この研究では抗凝固薬別解析は意図されなかったが、DOACsを中心としたRCTが進行中であり結果が期待される。