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カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | Journal of the American College of Cardiology |
年月: | March 2020 |
巻: | 75 |
開始ページ: | 1266 |
【背景】
静脈洞型心房中隔欠損症(SVASD)へのcovered stentを用いたカテーテル治療は、期待の新手法である。イギリスGuy’s and St Thomas’ NHS Foundation TrustのRosenthalらは、治療適応のあるSVASD患者48名(カテーテル治療:25名、手術:17名、治療待機:6名)を対象に血流動態の評価を行った。術前評価には横断的画像診断と3Dモデルを用いたex vivo評価を行った。
【結論】
手術群の8名はカテーテル不適症例であった。10-zig covered Cheatham platinum stent 5〜8cmを使用し、9名の患者でuncoverd stentを併用した。4名の患者で肺静脈塞栓を防ぐために右上肺静脈に高圧バルーンを留置した。フォローアップ期間 中央値 1.4年で死亡例はなく、ステント塞栓症が1名でみられ、1名で心膜血腫ドレナージが必要であった。術後3か月の心臓CTでは全患者で非閉塞性肺静脈還流がみられ、最新のフォローアップでは、シャントの残存が1名でみられた。
【評価】
この手法の開発を牽引してきたパイオニアによる報告で、パイロット試験を超えて手術との比較にまで踏み込む段階に達した。本報告の短期的治療成績は良好であり、外科手術を代替できる可能性を示した。世界的追試が予測される。