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カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | Journal of the American College of Cardiology |
年月: | December 2019 |
巻: | 74 |
開始ページ: | 2982 |
【背景】
Lp(a)は心血管疾患のリスクファクターとされているが未だ広く測定されておらず、また Lp(a)の低値がT2Dと関連する、という示唆もある。アイスランドUniversity of IcelandのStefanssonらは、同国143,087名(遺伝子情報確認)を対象とするケース・コントロール研究により、Lp(a)と心疾患リスクとの関連を遺伝子的に評価し、またLp(a)とT2Dの関連を検討した(n=17,715[冠動脈疾患]、n=8,734[T2D])。
【結論】
Lp(a)は、モル濃度に関し用量依存的に冠動脈疾患・末梢動脈疾患・大動脈弁狭窄症・心不全・寿命と関連していた。この関連にはLp(a)のモル濃度のみが関与し、apo(a)のサイズは関与していなかった。LPA遺伝子のホモ機能喪失性変異では、Lp(a)が極低値となりT2Dリスクが上がった。Lp(a)高分位20%では、Lp(a)の薬物治療による低減でT2Dのリスク増なしで冠動脈疾患リスクを低減すると予測される。
【評価】
Lp(a)はサイズでなく濃度が問題である、という主流見解を補強し、またLp(a)標的化治療がT2Dを誘発するすることは稀であろうことを示した。