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カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | The New England Journal of Medicine |
年月: | September 2019 |
巻: | Online first |
開始ページ: | Online first |
【背景】
心房細動(AF)を合併した安定冠動脈疾患(CAD)患者に対しては、多剤抗血栓療法をリバロキサバン単独に置き換えられないか。日本National Cerebral and Cardiovascular Center(国立循環器病研究センター)のYasudaら(AFIRE)は、この仮説を検証するRCTを行った(対照:リバロキサバン+抗血小板薬、n=2,236)。対象は、PCI/CABG後1年以上経過した(80%以上)、またはCAGで冠動脈疾患が確認されたAF患者であり、一次有効性エンドポイントは、脳卒中・全身性塞栓症・心筋梗塞・要PCI不安定狭心症・全原因死亡の複合、一次安全性エンドポイントは重大出血である。
【結論】
リバロキサバン単独の、2剤併用に対する一次有効性エンドポイント非劣性を認めた。一次安全性エンドポイントではリバロキサバン単独が併用より優った(HR:0.59)。
【評価】
安定CADのAF患者に限定したNOAC単剤療法の本格試験としては初めてである。日本では同発想で主にVKA単独での置換可能性を検証するOAC-ALONEが企画されたが、結論に達しなかった。欧米のガイドラインはこのような患者ではPCI後12ヶ月はAPTを停止することを薦めているが、今回の日本結果が「1年以上でもAPTは不要」というガイドライン変更力をもつかどうかは興味深い。