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カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | JAMA Cardiology |
年月: | January 2019 |
巻: | Online first |
開始ページ: | Online first |
【背景】
オバマケア(ACA)は低所得者層に医療保険を拡大したが、その医療的成果は。Brigham and Women’s HospitalのWadheraらは、Medicaid Expansion 3年後における採用州・非採用州の急性心筋梗塞(AMI)による入院患者に関する後向コホート研究を行なった(n=325,343)。一次アウトカム・指標は入院率であり、治療の質・死亡率等も調査した。
【結論】
Medicaid Expansion州での無保険AMI入院者率は18%から8.4%に低下したが、非拡大州では低下幅は有意に少なかった。しかし、拡大州の低所得者のAMI患者に対する治療の質・治療成績は非拡大州と有意差はなかった。院内死亡率は拡大州で3.2%から2.8%に低下し、非拡大州では3.3%から3.0%に低下した。
【評価】
研究仮説に反する結果で様々な解釈が提案されており、「医療側はベストを尽くそうとする、助かった患者が破産する率は減っているだろう」というのが一例である。今回の調査は退院後予後まで含めておらず、長期的差異は大きい可能性もある。