高齢女性は、平均1日4,000歩以上なら心臓病・死亡リスクが低下する
Association between frequency of meeting daily step thresholds and all-cause mortality and cardiovascular disease in older women
背景
歩数と死亡率・心血管疾患(CVD)リスクの逆相関が知られているが、高齢女性における日々の歩数閾値達成の頻度と全死亡・CVD発症リスクとの関連は。
アメリカBrigham and Women’s HospitalのHamayaらは、CVDとがんの既往歴のない13,547名の女性(平均年齢71.8歳)を対象とする前向コホート研究により、これを検証した(追跡期間中央値 10.9年)。
結論
週1〜2日および週3日以上で4,000歩/日以上を達成した場合、週0日の場合と比較して全死因死亡リスク(aHR 0.74、0.60)とCVDリスク(0.73、0.73)が低下した。全死因死亡については、逆用量反応関係が観察され、歩数閾値(5000、6000、7000)が高いほど、死亡リスクはさらに緩やかに低下した。平均1日歩数でさらに調整すると、この関連はゼロまで弱まった。
評価
膨大な類似研究の一つだが、リアルタイム加速度計を用いた方法論と「頻度か歩数か」という問いを明示的に立てたところにメリットがある。結論は、高齢女性が「まとめて歩く」など、個人の好むパターンで歩いても、総歩数が十分であれば健康利益は得られる、という実用的なものである。ただし、データは1週間の活動量に基づき、主に白人高齢女性の集団で得られた。

