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カテゴリー: | 救急医療 |
ジャーナル名: | Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America |
年月: | August 2018 |
巻: | Online first |
開始ページ: | Online first |
【背景】
急性心筋梗塞(AMI)では男女で予後が異なる可能性が指摘されている。University of Minnesota-Twin CitiesのGreenwoodらは、1991〜2010年にフロリダ州の救急部門を受診したAMI患者において、患者のジェンダーと治療した医師のジェンダーの一致とAMI死亡率との関連を調査した(n=581,845)。
【結論】
女性医師に治療を受けた患者の死亡率は、男性で11.8%、女性で12%であったのに対し(差0.2%)、男性医師に治療を受けた患者の死亡率は、男性12.6%・女性13.3%であった(差0.7%)。女性医師が5%増えると、女性患者の生存率は0.4%増加すると推定された。また女性の同僚が多い男性医師や女性患者の治療経験が多い男性医師では死亡率が低下した。
【評価】
近年大きな注目を集めた研究では、内科疾患で女性医師の方が死亡率が低く、外科医では男女差がないことが示されている(http://doi.org/10.1001/jamainternmed.2016.7875、https://doi.org/10.1136/bmj.k1343)。本論文は率直に、男性医師へのOJLよりも女性医師のプレゼンスを増やすことが有効であると示唆している。