|
カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | JAMA Cardiology |
年月: | March 2020 |
巻: | Online first |
開始ページ: | Online first |
【背景】
大動脈弁狭窄症(AS)には遺伝子基盤のある可能性がある。カナダMcGill UniversityのThanassoulisらは、GERA研究コホート44,703名(AS 3,469名)を対象に遺伝子変異と多価不飽和脂肪酸(ω-6・ω-3)値を解析し、7コホート(n=256,926)とCHARGEコホートコンソシア(n=6,942)によりレプリケーション検証を行った。
【結論】
FADS1/2ローカスにおけるrs174547変異がASと関連し(P=3.0×10^-6、複製コホート:P=2.5×10^-8)、大動脈弁石灰化(AVC)とも関連した。さらに、アラキドン酸/リノレン酸比高値はAVCと関連した。メンデルランダム化解析では、肝におけるFADS1の発現とアラキドン酸の増加がASと関連した。
【評価】
GWASによる、ASの遺伝子基盤としてのFADS1/2ローカス(多価不飽和脂肪酸生合成系制御系)の同定である。ω-6脂肪酸がASに病因的に関連していることを示し、同系の修飾によるASの予防・治療の可能性を開いた。