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カテゴリー: | 循環器 |
ジャーナル名: | The Journal of the American Medical Association |
年月: | January 2020 |
巻: | 323 |
開始ページ: | 329 |
【背景】
拡張期(のみの)高血圧症(IDH)はどれほど危険か。アイルランドNational University of Ireland GalwayのMcEvoyらは、アメリカでのIDHを2017年のACC/AHAと2003年のJNC7基準とで比較し、IDHのアウトカムを横断・縦断解析した(NHANES:n=9,590、ARIC:n=8,703)。IDH基準は、ACC/AHA(SBP<130 mmHg、DBP≧80 mmHg)とJNC7(SBP <140 mmHg、DBP≧90 mmHg)である。アウトカムは、IDHの一般有病率および2017 ACC/AHAガイドラインで降圧薬を推奨されるレベルのIDHの有病率、ARIC Studyにおける動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)・心不全(HF)・慢性腎臓病(CKD)のリスクである。
【結論】
NHANES集団でのIDH有病率は2017 ACC/AHA基準で6.5%、JNC7基準で1.3%であった。要治療IDHの有病率は0.6%であった。IDHは、ASCVD・CF・CKDの発症リスクを増さなかった。
【評価】
2019 NEJMのKaiser研究は、130万人というビッグデータで単独拡張期高血圧症のリスクを認めている(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1803180IDH)。規模100分の一というこの研究結果で覆すには、何らかの論拠が必要であろう。